白隠禅師の健康法=寝禅による内観法、軟酥(なんそ)の法
軟酥(なんそ)の法
- 軟酥の法とは、内観法と同じく、自己暗示によって潜在意識を変えさせる精神療法である。
- 卵ぐらいの大きさの軟酥の丸薬を頭上に乗せたとイメージする(酥とはバターのこと)。
- 丸薬が頭上から足の裏まで流れ込んでくると想像する。
- 方法
- 軟酥丸は、清い色をして、よい香りがする実に素晴らしい丸薬である。
- これが頭全体を潤し、ヒタヒタと水が浸透するように下りてきて、
両肩、両上肢、乳房、胸、肺臓、肝臓、腸、胃、背骨、尾骨まで潤すと観想する。 - 軟酥がここまで下りてくると、すべての内臓の疾患や腹部の疼痛が消失する有様が、
水が流れるようにはっきり分かる。 - さらに軟酥は両下肢を温かく潤し、足の裏まで到達するとその流れは止まると観想する。
- ちょうど、名医が香りがよく、病気にもよく効くいろいろの種類の薬剤を
お湯で煎じて桶に一杯入れ、自分の両下肢をその中に漬けていると観想する。 - 禅師いわく「この方法を何回も根気よく行えば、どんな病気でも治せないものはない。
そして立派な徳を積むことができる。さらにどんな修行でも成功しないものはない。
また、どんな事業をやっても必ず成功する。
その効果が早く現われるか、遅く現われるかは、これを行う人の熱心さいかんによるから、
一生懸命に精進せよ」